写真撮影のディレクション

カテゴリー: blog オン 2019年7月9日

今年は撮影のディレクションをすることが増えました。
撮影のディレクションはスタジオの手配やカメラマン・モデルの手配といった諸準備、見た目の仕上がりをチェックなど、仕事は多岐に渡ります。

下準備も含めると下記のような作業が発生します。

撮影に入ってしまうと、大きな調整はできないので下準備が非常に重要です。
予算の作成も非常に気を使います。カメラマンやモデル、やスタジオ、スタイリスト、交通費など算出しますが、当日不測の自体が起きる可能性もあるので、その際の予算もきちんと考え、関係者と確認しておく必要があります。

もしきちんと費用の確認をしていないと、後々、「延長した分の予算が足りない」というような自体も起こりえます。

写真撮影準備から完成まで流れ

  • 仕上がりイメージを作成する
  • カメラマン・モデル・小道具などのアサインをする
  • 予算を決める
  • 当日のスケジュールを立てる
  • 現場で指示をだす
  • 写真を確認する
  • レタッチをする

諸々の費用感

下記はカメラマンやモデルや撮影でかかる費用の一例です。もちろん、実績や知名度、撮影条件、物価などで相場感は変わりますが、現在はこのあたりが最小限の価格感かと思います。

カメラマンの費用
一般的にはカット数が基準になるようです。内容によっては撮影時間も変わってくるので手間のかかる撮影は時間もよく検討が必要です。
また、照明などの機材が必要稼働かや、機材を運ぶ自動車の用意。現場に車を止めるところがなど、配慮すべきことがいろいろと発生します。

カメラマンの力量や撮影する媒体の難しさでも代わりますが、東京であれば1日拘束する場合5万円は確保したいところだと思います。

モデルの費用
一般的な事務所に所属するモデルに出演してもらう場合は、注意点がいくつかあります。
また、人物の他にペットモデルや手モデルなど、モデルといってもバリエーションは様々です。
予算は当然ながらピンキリになりますが、最低でも1クール10万円は必要になるでしょう。

[契約期間]クールという期間によって料金が異なります。1クールで半年が一般的なようです。

[他社媒体への出演可否]当然ながら競合他社の広告などへの出演に制限をかけたい場合は費用が上がります。

スタイリストの費用
服装やテーブルウェアなど、装飾が必要な場合はスタイリストが必要になります。モデルさんの顔が写る場合はヘアメイクさんも必要でしょう。

小道具の費用
撮影内容によっては小道具が必要になります。キッチン回りの撮影であれば、カトラリーや料理が必要になるかもしれません。
また、レンタルが良いか、購入が良いかという判断も必要になります。

撮影用の小物は一回しか使用しないので、レンタルをしたいところです。しかし、汚れたときや壊れた時の保証を考えると購入した方がはるかに安いというケースもあります。

スタジオの費用
シンプルなホワイトキューブのスタジオから、キッチンやハウスなどシチュエーションのある撮影向けのものなどがあります。
照明機材の有無や広さで金額は変わりますが、ホワイトキューブのスタジオだと1日、3〜5万円
キッチンやハウススタジオは、1日、8〜12万円くらいでしょう。
スタジオではなく外での撮影の場合は気候の影響を大きく受けます。真冬と真夏はかなり厳しいです。またクライアントによっては雨天結構などもありハードな現場になりがちです。

保険の費用
なかなかここまでフリーランスで準備するのは気が回らないと思いますが、撮影内容によっては検討した方が良いでしょう。怪我や器物破損などのトラブルがあった時に守ってくれる会社がないというのは、実は怖いことです。
とはいえなかなか条件にあう保険が無いので、探すのは大変かもしれません。今の所Freenanceには一応保険のサービスもあるようなのであらかじめ入っておいても良いかなと思います。

撮影ラフの作成

撮影の予算や撮影場所などを決めるのと同時にどんな写真を撮影するかも検討を進めていきます。
ディレクターであれば手書きのラフでイメージを固めることもあるかと思いますが、デザイナーがディレクションをする場合はデザインを直接起こしながら進める方がやりやすいかと思います。ただし、このデザインラフの時間が結構かかるので、予算に収めるのがなかなか難しいのですが。

撮影時のディレクション

どんなに準備をしても撮影に入ってから気は抜けません。
ラフの段階で角度や構図を決めていても、実際に撮影するとあまりよくなかったりするので、その場で良い構図や角度を検討します。

また、角度一つとってもほんのわずかな角度の違いで見え方が違ってきます。
さらにピントをどこまで奥まで合わせるかというのも悩みどころです。
ぼけみを出すかと雰囲気よく仕上がりますが、後でもう少し奥までピントがあっていたらなあ、と思うことも少なくありません。

撮影時にカメラマンにお願いすれば、角度やピントを調整して何枚か撮影してくれますが、あまりパターンを取りすぎると時間も無くなりますし、後々選ぶのが大変なので、撮りすぎもNGです。

撮影時の会場の雰囲気作りもディレクターの役割として重要になってきます。
セッティングの間のちょっとした時間が、意外とやることがなくて手持ちぶたさになりがちです。

相手との関係性にもよりますが、初めての人ばかりだとここで沈黙が生まれてしまい微妙な空気が生まれてしまいます。気持ちよく撮影に挑めるように場の空気を和ませたる気配りも必要です。

ちなみにかなり現場に慣れていないと、上手に話せないと思いますが、下手でもとにかく喋ってコミュニケーションを取るつもりがあることを示すことが大切です。

また、しばらく撮影が進んで時間が立つと、自然と場が盛り上がってくるので後半は楽しく撮影できることも多いでしょう!

レタッチ

撮影が終わったら、写真の色調整や傷や汚れのレタッチを行います。

極力、レタッチを減らしたいところですが、ちょっとした汚れや傷が写真の品質や世界観を大きく崩します。
デザインにはめ込んでみると、文字との位置関係やトリミングの都合などで切り抜きが必要になることも多々あります。
また、トリミングの関係で足りない余白をうまく追加したり合成したりと、思ったよりも作業が増える場合がありますが、撮影後でないと作業量が読めないので、予算を出すのが難しいのが難点です。

そうして、ようやく写真が出来上がり、デザインに組み込んでいきます。いざデザインに配置すると、写真だけみていた時とは違った部分が気になったりすることも多々あります。

対処方法は予算と時間との相談ですが、ある程度直さないと違和感の残るデザインができてしまいますので、対処していくのが一般的かと思います。